譲渡で代表者・社員はどうなる

代表者のポジション

事業を譲渡すると、その事業の経営権は買い手企業に移るとともに代表取締役は退任となります。そして買い手企業は新しい代表取締役や役員を派遣するのが通常です。

譲渡した側の退任した代表取締役はそのままリタイアというケースもありますが、細かい引継ぎをスムーズに行なうために代表権のない会長や相談役、顧問などの役職で会社にとどまり、引継ぎが完了した時に退職するというパターンが多いようです。

またM&Aで大手企業の傘下に入った場合でも、代表者の地位にとどまり、買い手企業の経営資源を活用してより大きく会社を成長させている代表者の方もいらっしゃいます。

代表者の連帯保証や提供担保の行方

中小企業の場合、オーナーが会社の債務を個人保証していたり、個人資産を借入金の担保として提供しているケースがほとんどです。

M&Aによって経営権を譲渡した場合、これらの個人保証や担保提供は解除されるのが一般的です。

つまり、今までオーナーを縛り付けていた制約から解き放たれるということです。

保証や担保の行方

従業員の雇用継続

譲渡される飲食店でそれまで働いていた従業員は、その店舗での仕事にも慣れており、顧客との信頼関係もできているでしょう。

そのため、M&Aで事業が譲渡されても全従業員の雇用は引き継がれ、給与面などの待遇も当面は今までと変わらない場合が一般的です。

これは、M&Aの直後から大幅に人員削減したり、給与を下げてしまうと、従業員のモチベーションが保てなくなるためであり、友好的に行われるM&Aでは重視される要素です。

社名の継続

事業が譲渡されても、店舗名やブランド名などはそのまま継続される場合がほとんどです。

これは今までの経営で飲食店やブランドに付いている顧客をそのまま引き継ぐためには店舗名やブランド名を継続する方が有益だからです。また、従業員や取引先企業の混乱を防ぐ意味もあります。

しかしながら買い手企業が大手の場合などは、そのグループ傘下に入ったことが分かるよう、社名の中に買い手企業名を示しておく方が有利に働く場合もあります。

大切なことは、譲渡契約を締結する際に店舗名やブランド名などについて、今後どうするかを双方が納得できる形で決めておくことです。