ノバレーゼ創業者、浅田剛治会長の華麗なるエグジット

2016年09月07日

9月1日に衝撃的なニュースが入ってきました

ファンド運営のポラリス・キャピタル・グループが、

ブライダル事業を展開する東証1部上場ノバレーゼの

株式73.83%以上をTOBにて取得する、

という意見表明がリリースされました。

 

同社の創業者である浅田会長は、

ご自身並びにご家族、関係会社で保有する全株式について、

TOBに応募する予定であるとのことです。

 

浅田会長関連の株式でおよそ95億円、

全体では200億円規模の大型ディールとなる見込みです。

近年稀に見る華麗なエグジット事例になる見込みです。

 

株式会社ノバレーゼについて

同社は2000年設立の会社でまだ16年と若いですが、

約160億円の売上を誇る東証1部上場企業です。

 

展開する婚礼施設は28店舗で、

レストランやドレスのお店も含めると、56店舗にものぼります

(同社ホームページ調べ、2016年9月現在)。

 

2010年には婚礼プロデュース並びにレストラン事業を目的として、

中国にも海外法人を設立。

韓国でも出店され、現在3店舗展開されています。

 

結婚式場を運営する会社という印象が強いですが、

実際は婚礼事業の売上は全体の4割程度で、

貸衣装やレストランウェディング、一般レストランなど、

総合的ブライダル事業者兼外食というような会社です。

 

ノバレーゼは浅田会長が30歳の時に設立した会社です。

浅田会長は新卒でリクルートに入社されましたが、

僅か1年半で退社して家業の一つである結婚式場経営を任されたそうです。

赤字事業を建て直されたものの、父と経営方針に相違があり、30歳で独立。

スタートは結婚式場経営ではなく、婚礼プロデュース事業でした。

 

軌道には乗ってたものの、提携していたレストランから契約が切られてしまい、

自社でいわゆる「ハコ」を持たないことの弱みを痛感され、

式場経営へと経営の軸をシフトされたそうです。

 

ハウスウェディングの勃興期において、

最も活躍してきた会社の1社と言えます。

 

事業再生も得意とされ、積極的なM&Aによって、

ジェームス邸などの歴史的建造物も取得。

ブライダル施設として再利用・建て直しを実現し、

その運営手法は業界で注目されました。

 

 

近年においても、年5件程度は新規出店されていて、

今尚、成長著しいブライダル業界のキープレイヤーと言えます。

一方で今年3月に当時浅田社長が会長職となり、

新たに現荻野社長が就任されていました。

元々45歳で引退を考えられていたそうで、

結果的には1年遅れで今回それを実現に移されることになりそうです。

 

 

今回のM&Aについて

買収を表明しているのはポラリス・キャピタル・グループという国内系ファンドです。

 

累計額1100億円以上、約30件の投資実績があり、

外食業界では、過去に「磯丸水産」を展開するSFPダイニング

(クリエイト・レストランツ・ホールディングスに譲渡済み)に投資し、

今現在「スタミナ太郎」を展開する江戸一に投資中です。

 

ファンドですから、目指すところとしてはノバレーゼ社の企業価値向上と、

その上での投資金額の回収となります。

 

今回の発表以前、ノバレーゼ社の株価は800円程で推移していましたが、

それを1944円/株と評価してのTOB実施となります。

 

PERで見るなら、仮に倍率が同じと仮定して単純計算するなら、

利益額を今の2.4倍以上にしないと回収できないという投資金額です。

当期利益が2015年期で約7.6億円ですので、

18億円以上という決して簡単ではない企業成長が今後求められます。

 

もちろん回収方法は株式の売却だけではありませんから、

必ずしも上記だけの話ではありませんが、

およその回収イメージです。

 

さて、浅田会長が退任するという発表は今のところありませんので、

今後の動向がとても気になるところです。

 

今回のように会社の調子がいい中で

エグジットを決意するというのは簡単なことではありません。

類稀な、華麗なエグジットと言えると思います。