外食業界M&A①「かつや」グループによる「からあげ縁」運営会社の買収

2016年09月05日

平成27年12月28日、から揚げ専門店の「からやま」を展開する

エバーアクション株式会社が、

「からあげ縁-YUKARI-」の直営並びにFC本部運営をしていた

BAN FAMILY株式会社の全発行済み株式を取得したと発表しました。

 

アークランドサービスグループについて

エバーアクション株式会社は、

「かつや」を主として展開する東証1部上場の

アークランドサービスホールディングスのグループ会社です。

 

ホームセンターを展開するアークランドサカモト社(東証1部上場)が

アークランドサービスホールディングスの株式の過半数を所有しています。

連結では1000億円を超える企業体です。

 

少しややこしくしてしまいましたが、図にしますと、こんなイメージです。

親子上場を果たしているグループです。

 

アークランドサカモト(東証1部上場)

|親子

アークランドサービスホールディングス(東証1部上場)

|親子

エバーアクション(買収した会社)

 

さて、アークランドサービスグループは平成5年に設立され、

5年後の平成10年に「かつや」の1号店を出店。

翌年からはフランチャイズ展開をはじめ、

設立から僅か4年で100店舗展開を達成しています。

 

平成19年にはジャスダックに上場していますので、

「かつや」展開から9年でスピード上場されています。

 

 

BAN FAMILY株式会社の買収について

エバーアクションは「からやま」という、

から揚げ業態を展開する会社です。

 

「からやま」は買収したBAN FAMILYとの

コラボレーションにより開発された業態ということですので、

両社は元々提携関係にあったようです。

 

リリースには、エバーアクション社のノウハウをBAN FAMILYに注入することで、

BAN FAMILYが展開する「からあげ縁-YUKARI-」の更なる事業拡大を目指す、

と記載されています。

 

元々はBAN FAMILYがノウハウを提供して開発した「からやま」でしたが、

エバーアクションの展開ノウハウ(=「かつや」展開ノウハウ)が上回り、

逆にエバーアクションがノウハウを戻す関係に変化。

 

結果的に買収ということになったようです。

 

当時BAN FAMILYの西川社長は、

現在OBRAR株式会社にて餃子業態を展開されているようですので、

このM&Aのタイミングで退任されたものと推定しております。

 

教える側が教えられる側に回ったという面白い事例ですが、

より簡潔に見ると、

 

・西川社長は未だお若い

・教える側が教えられる側に回る=業績が低迷していた可能性が推定できる

 

ということから、

 

<売り手の目的>西川社長のエグジット

 

<買い手の目的>BAN FAMILYが保有する店舗網や人材等の資源獲得

 

 

という、それぞれの目的のM&Aだったと考えます。

 

私が本件について思うこと

外食業界において、若い経営者がM&Aの売り手側に回る、

という事例が今後確実に増えていくと考えています。

 

一般的にはこのようなニュースがあると、

創業者が獲得するお金のことばかりに焦点がいってしまうのですが、

M&Aの目的はあくまで譲渡対象となる企業・事業の存続・発展ですから、

そっちに焦点を当てて考える必要があります。

 

企業経営には段階があります。

5店舗の経営と15店舗の経営は違います。

15店舗の経営と50店舗の経営は違います。

非上場企業の経営と上場企業の経営は違います。

従業員が20人の経営と従業員が100人の経営は違います。

 

企業を成長させていく過程においては、このように変化する経営に対して、

経営者が適応していく必要があります。

 

一方で経営者によっては得意な分野が違うことがあります。

 

例えば、業態開発が得意で、坪100万の利益を上げる業態は作れても、

それを30店舗展開となるとマネジメントができなくなってしまい、

結果業績が落ちてしまう、というのは外食業界では典型的です。

 

じゃあその経営者が能力がないのかというと、

全くそういうことではないと考えます。

 

仮に1店舗から10店舗までを得意とする経営者であるならば、

そこまでは自分でやり、以降は10店舗以上の展開を得意とする

企業に引き継いでもらい、自分は得意なところに集中すべきと考えます。

 

あくまで経営者にとって第一義に来るべきは企業の存続・発展だからです。