「串カツ田中」の上場(2016年9月14日予定)

2016年09月02日

先日株式会社串カツ田中のマザーズへの上場が承認されました。

上場予定日は2016年9月14日です。

ニュースはこちらから。

少し遅ればせながらですが、概略を確認しましたので、

私のつたない説明と共にご紹介します。

 

近年、少しずつ外食企業の上場件数がまた増えてきました。

 

2008年のリーマンショック以降上場企業数は激減し、

2009年、2010年は外食企業の上場件数は0件でした。

 

2011年にイートアンド社が上場してから、

年1,2件の上場がまたみられるようになり、

2014年には鳥貴族やSFPダイニング(磯丸水産)を含む5社が上場。

昨年は4社が上場し、今年は既にコメダホールディングスが上場、

更に串カツ田中が続くことになっています。

 

 

決して上場企業が増えているからと言って外食市場が良くなっている、

というような相関関係の話ではありませんが、

一方で順調に業績を伸ばし、上場基準を満たす企業が出てきている、

ということは、多くの経営者にとって励みになるのではないでしょうか。

 

そういう意味では「上場」というのは分かりやすい指標であり、

今後もそのような企業が増えていくことを期待しております。

 

また今回の串カツ田中の上場は、

直近の年商が25億円ということで、

歴史を見ても恐らく最小ぐらいの規模での上場になります。

 

上場には形式要件という満たすべき定量的条件がありますが、

そのうちの一つが上場後の対象企業の時価総額です。

 

時価総額は売上規模ではなく利益額、純資産額が主要指標となるため、

年商規模が小さくとも、高利益を実現できていれば上場できる、

という点で、業界にとって意味のある事例になると感じます。

 

さて、以下概要です。

2015年11月期の年商は約25億で経常利益は約2.6億円と高収益です。

上場するためには、監査法人や証券会社など必要各社への支払いが必要で、

一般的には5000万円程度そのための費用として収支が悪化します。

ですから、非上場企業だったとすれば3億円を超える経常利益を実現している可能性が高く、

経常利益率12%程度とかなりの高収益体質です。

 

株式の想定発行価格は3610円/株で、新株発行後の総株数が145万株のため、

想定時価総額としては52億円ほどの会社となる見込みです。

 

資金調達額は約9億円で、資金用途としては直営店の出店費用とのことでした。

先日の記事でも記載しましたが、この調達費用の使途と結果がとても重要であり、

FC本部ながら直営店を増やすという選択肢は、個人的には安心する内容と感じます。

 

加盟店過多のFC本部は、業態に何かマイナスな影響が出て、

その立て直しをしないといけなくなった時に、

店舗の運営がほとんど外部企業となると、とてもやりづらく大変です。

 

一方で一定割合直営店を保有していれば、直営店に真っ先に労力投下して

立て直しのノウハウを開発し、尚且つ自社の業績回復について見通しを立てた上で、

加盟店の立て直しに入ることが出来ますので、有事に強いと言えます。

 

串カツ田中は1業態展開ですから、特にこのような有事に備えた

体制整備、運営が重要になってくると考えます。

 

直近の業績では、2014年の年商約13億から、2015年の25億と、

ハイスピードで成長しています。

特にFC本部ですから、直営店出店と比較して店舗当たりの売上は小さいので、

かなりの出店スピードを実現されています。

 

外食業界全体を取り巻く課題として人材不足がありますが、

上場という看板は採用において大いにプラスに影響します。

昨今では親が就職先を選ぶに際して相応の影響力を持つそうですので、

そういうところでも、上場企業であれば内定辞退率などは低下すると想定できます。

 

今後更にスピード出店を実現していくという仮定に立ちますと、

上場によって人材を確保しやすくなるのは、同社にとって大きなメリットになると考えられます。

 

「上場」はあくまで手段ですから、それを効果的に活用し、

その後の更なる発展に繋げられることを祈念しながら、今後も追い続けたいと思います。