歴史が証明する、失敗するM&A

2018年03月15日

ここ数年間でM&A市場は驚くほどに活況となりましたが、M&A自体は昔から行われていることです。

但し、その在り方は変わってきていて、私のブログのタイトルのような「同志的結合」型のM&Aが近年は主流となってきています。
では昔はどうだったかというと、M&Aに対してあまり良いイメージをお持ちでない皆様のご想像の通りで、大が小をガバッと吸収してしまうようなものが少なからずあったようです。
買収すると、対象企業の主要人員は一掃されてマネジメントを買い手が完全に掌握し、取引先などは問答無用でより安いところへと切り替えていく、というようなものです。
20年も前に会社の譲渡を経験したとある経営者に教えて頂きました。
飲食店をチェーン展開し、業績は好調なAという会社を経営していました。
そんなところにある日、とある大企業の社長が自ら出向いてこられたそうです。
「素晴らしい会社ですね。是非ともうちの傘下に入ってほしい。一緒に成長させましょう!」
熱心に何度も足を運ばれたそうで、そのエネルギーに圧倒され、結果として提案を受け入れ、過半数の株式を譲渡されました。
そこからA社の社長を待ちうけていたのは強烈な管理でした。
隔週で遠方の親会社本社まで社長が自らが出向き、経営報告をすることを求められたそうです。
その場にはほかの子会社社長も並び、順々に報告を進める中で、業績の悪い会社の社長は容赦ない叱責を受けたそうです。
しかもそれはほかの社長たちもいる場でです。
結果的には、A社の業績は堅調に推移したため、企業価値は更に向上され、譲渡した株は別の会社に買い取られることになりました。
親会社が変わったのです。
その親会社はまた更にすごかったそうです。
買収後真っ先に行ったのは仕入先への値下げ指示。
仕入先を一堂に集め、あなたのところは今後◯円にします、あなたのところは◯円です、と仕入れ価格を一方的に指示し、従わない先は皆切り替えられたそうです。
従業員にとっても過酷な環境で、解雇するのは会社にとって都合が悪いために、辞めたいと自ら言ってくるような状況に追いやられたそうです。
その会社の傘下に入ってからものの数ヶ月で何十人もの従業員が退職したそうです。
では結果をお伝えしますと、このM&Aは大失敗に終わったそうです。
チェーン店ながらも、個人店のように店とお客さんが繋がれるお店であることが評価されていたのに、そういうものが無くなってしまったことで、翌年から業績がガタッと落ち、結果業態を潰してしまうことになったそうです。
このような強権的なM&Aは最近はあまり聞きません。
効率化を徹底するにしても、もっと上手なやり方が取られます。
私はあくまで「同志的結合」を推進してまいります。
執筆:中原