ダイヤモンドダイニングと商業藝術のM&A

2017年05月10日

平成29年4月27日株式会社ダイヤモンドダイニングは「chano-ma」、「石塀小路豆ちゃ」などの業態を展開している株式会社商業藝術の発行済株式をすべて取得し、完全子会社化することで、飲食業界は大いに盛り上がりました。

 

今回のテーマは、

  1. なぜダイヤモンドダイニングは商業藝術をM&Aしたのか
  2. 価格面から見てこの買収はどうなのか
  3. 両社の今後について

という観点をテーマとして執筆をします。

 1.なぜダイヤモンドダイニングは商業藝術をM&Aで取得したのか

今回のM&Aの目的としては、「ダイヤモンドダイニンググループの中国地方進出」と

「商業施設等でのノンアルコール業態の取得」の2点であると言われています。

M&Aにおいては「自社に足りない物」を補うM&Aとして今回の案件は非常に理にかなっていると言えます。

まずダイヤモンドダイニンググループは「Vampire Cafe」をはじめとして「わらやき屋」を中心としたいわゆる「アルコール業態」に強みを持っており、これまでノンアルコール業態

をあまり展開してきませんでした。

このように、自社の保有ブランドをポートフォリオとしてまとめていき、自社の空白地帯に

M&Aで補うということは非常に有効な手段であると思います。それは、一から立ち上げるよりも時間がかからないということはもちろんのこと、すでに、数十年行っている成功したノウハウも失敗したノウハウも取得できるからです。このノウハウを横展開することができれば、さらに企業の成長を促すことが出来ますし、両社の良いところを合わせることができれば、お互いの収益力をさらに押し上げる結果となります。

また、ダイヤモンドダイニンググループは、これまで中国地方にはあまり出店してきておりませんでした。

(直営で兵庫に2店舗展開しておりますが、広島などの中国地方には出店はありません。)

そのような中で、商業藝術社は広島に地盤を持ち、主に商業施設での展開を中心施策としている会社です。これも、空白地帯を埋めるということでは非常に有効な手段であるといえます。

 

今回ダイヤモンドダイニンググループは従来保有をしていなかった「ノンアルコール業態」と「中国地方」を今回のM&Aで取得することになります。

 

 2. 価格面から見てこの買収はどうなのか

今回のM&Aを価格面から見ていきたいと思います。

IRで開示されている、商業藝術社の財務から見ると、売上76億円に対し営業利益が1.5億円、純資産が6.6億円です。

今回の買収金額が18億円なので、営業利益1.5億円×7.6年+純資産6.6億円 で買収したこととなります。つまり、簡単に考えると営業利益の7.6年分で買収したと考えることが出来ます。一見すると、7.6年分というと回収期間を考えると高いと感じるかもしれません。

しかしながら、食材の共通化などによってコストダウンすることなど様々なメリットを享受することが出来れば、一概には高いとは言えないと思います。

例えば、ダイヤモンドダイニンググループ社の直近の決算の連結の営業利益率は5.37%です。仮に、商業芸術の営業利益率もそこまで上げることが出来れば、約4億の営業利益となります。それをベースに考えると、2.85年で回収となります。また管理部門の共通化などすればさらに収益性を上げることも可能かもしれません。飲食店で重要なことは店舗ごとの収益力を正しく算出し、さらにシナジー効果を考えたうえで、自社に取り込んだ際の収益性を見て買収していくことだと考えられます。

 3.両社の今後について

ダイヤモンドダイニングは、1000店舗1000億円を目指すと、明確にビジョンを示しております。これからもそのビジョンに向けて、さらに店舗数を増やし、成長していくことかと思います。

また商業芸術も、ダイヤモンドダイニング社のプラットフォームを活用することによって、より成長していくことになっていくのではないかと考えます。

今後の両社の展開が非常に楽しみであります。