M&Aは「手段」であり「目的」ではない

2017年05月09日

本日のテーマは『M&Aは「手段」であり「目的」ではない』です。

弊社はM&Aを生業としている会社ですが、今回はM&Aとは少し違った切り口で

執筆をさせて頂きます。

 

弊社の考えとしてM&Aはあくまで「手段」であって「目的」ではないと考えています。

というのも、M&Aはあくまで「事業承継」、「後継者不在」に対しての「最後」の解決策であるからです。

 

基本的には事業承継は親族内もしくは企業内で行われる方が贈与税などの納税が猶予されたり、企業内外の事情に精通していたりと企業外承継よりも、いわゆる「地の利」があります。

 

例えば中小企業庁のホームページでは、自社株式に関して

『後継者が先代経営者から一括贈与により自社株式を取得した場合に、その自社株式に係る贈与税の100%の納税を猶予することができます。ただし、贈与前から後継者が既に保有していた議決権株式を含め発行済完全議決権株式総数の2/3に達するまでの部分に限ります。』とあります。

 

また、相続税に関しても

『後継者が先代経営者から相続により自社株式を取得した際に、自社株式に係る相続税の80%の納税を猶予することができます。ただし、相続前から後継者が既に保有していた議決権株式を含め発行済完全議決権株式総数の2/3に達するまでの部分に限ります。』とあり、

贈与税、相続税に関して、納税を猶予する特例があります。

 

(詳細はこちら⇒http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/h21/gb149.html

 

このようにM&Aをするよりも自社内で経営権を承継した方が法律上有利になる可能性が高いです。

 

ですので、まずは事業承継を考える際に、

  1. まずは制度利用も考慮に入れ親族内での承継を考える
  2. 次に自社内(例えば番頭などへ)での承継を考える
  3. 1・2に該当者がいなければ社外の承継(M&A)を考える

といった手順で経営権の承継を考えていきます。

 

ただし、それぞれにメリットデメリットがあることも事実です。例えば2の番頭などに承継を考える場合、借入金に対する代表者保証の問題や、株式譲渡対価の問題などが出てきます。また、番頭さんが、2番手としては能力を発揮することが出来ても経営者として能力が発揮できるとは限りません。

 

そのような意味では、1の親族内承継についても同様です。特に経営者の能力というのは、

よく見極める必要があると考えます。今まで、自身がリーダーシップを発揮して経営していた社長ほど、そのあとを継ぐ人間は、どうしても前経営者と比較され大変な思いをすることとなります。だからこそ、後継者育成を段階的に行い、例えば、現経営者が会長として残りながら徐々に経営権を移すなど行う必要があります。

 

いずれにしても事業承継計画をつくり進めていくことが重要となります。その過程で、一部は外部に引き継ぐ(M&A)などを検討することもよいかもしれません。

 

M&Aというのは、多くの手法の一手法であるので、慎重に検討していく必要があると思います。

 

ですので、やみくもにM&Aを考えるのではなく「地の利」を活かしつつ経営権の承継を考え、それでもダメなら社外への承継を考えるというスタンスを取ることをお勧めします。