事業存続のために

M&Aは企業の合併や買収を意味する言葉です。

つまり企業や事業そのものを人・モノ・ノウハウ・顧客も含めて売買することを指します。

事業存続のために

テレビドラマなどで企業買収されるシーンなどが出てきますが、そのほとんどは良いイメージのものではなく、大手企業が多額の金銭で小企業を無理やり買収するなどネガティブに描かれています。

ですが、弊社で担当する中小企業のM&Aにおいてはそのような場面はありません。

そもそも上場していない企業は株式が非公開ですので、株主の合意を得ずに買収することなどできません。また業績不振が続き、経営が非常に厳しいという状態でご相談を頂くことも多くございますが、実はこれも中小企業のM&Aには不向きです。

ある程度の店舗数や規模感があれば、業績が悪くてもそれを買収する意義が有りえますが、一般的な中小企業においては経営が厳しいという状態では買収先はなかなか現れません。

業績好調であるのに譲渡する、ということが中小企業M&Aの本質となります。

ではその目的とはどういうものなのでしょうか。

企業・事業を存続させるためのポジティブな発想がM&A

事業を続けていると、後継者問題やニーズの変化、他業種も経営している場合は経営資源の分散化、ライバルとの競争、業務の効率化、購入材料の高騰化、資金繰りなど、色々な課題が出てきます。

経営者はこれらの課題に取り組んでいかなくてはなりませんが、単独で解決することができない問題も多々あります。M&Aはそれらの問題の解決手段になりえます。

例えば年間で約3万社の企業が、資産超過、すなわち負債よりも資産をたくさん保有し、財務体質としては健全でありながらも廃業しているという事実があります。その理由の多くは後継者不足と言われています。

廃業は最悪の選択と言えます。

その収入を糧に生活をしていた従業員が職を失い、そこに商品を納めていた企業は売上を失い、その店舗に通っていたお客さんは憩いの場を失い、その地域は税収を失います。

そして経営者は多くの場合、微々たるお金しか手元に残せません。ですから、廃業ではなく、M&Aを通じて第三者に企業・事業を継続・発展させてもらうことが最適な選択肢となるのです。

他にも、

  • 成長意欲の高い経営者が、その成長を加速させるために大手企業の傘下に入り、その資源を存分に活用して圧倒的な成長を実現する。
  • 特定の業態や地域などに特化して会社を成長させるために、それ以外の事業を敢えて譲渡して現金化し、集中事業へ投資する。
  • 企業を譲渡し、その譲渡対価をもってして新たなより発展性のある事業に投資する(シリアルアントレプレナー)。
  • 息子が後継者候補としているけれども、能力的な不安もあるため、株式は大手企業に持ってもらい、息子の成長を支えてもらう。

など、様々な目的に応じて活用することができます。

M&Aは、企業が抱える課題をクリアし、今以上に発展していくために非常に有効な、ポジティブな発想の手法なのです。

オーナーや社員にとっても意味があるM&A

M&Aは企業そのものを全て売却するとは限りません。

複数の事業を展開している場合、そのうちの一事業だけを売却するケースもあります。また店舗を売却しても店舗名はブランドとしてそのまま残ることがほとんどですし、大手企業が事業承継した場合などは、傘下に入っても元々のオーナーが引き続き運営していたり、顧問として関わっていることもあります。

そしてオーナーは今までの事業展開で作った借入金を、M&Aの売却金で返済することもできます。

今まで共に働いてきた社員にとっても大きな意味があります。会社そのものは事業承継によって変わったとしても、職場であるお店そのものや仕事内容は基本的には変わらず、雇用も継続されます。

大手企業の傘下に入れば、これまで以上にキャリアへの道が開けてくる可能性も大いにあります。仕事に対するモチベーションはむしろ高まることが多くなります。また前述のように、以前のオーナーが事業承継後も関わっているなら、安心して働くこともできるでしょう。

このようにM&Aはオーナーにとっても、社員にとっても意味があることなのです。

将来を見据えるからこそ、長期的な視点でM&Aを考えるべきではないでしょうか。